老後資金、これだけあれば大丈夫
(シャンボール城@フランス、2011年6月撮影 by offthebeatenpath)
老後の生活資金がいくら必要なのかという疑問は、住む場所がアメリカでも日本でも出てくるものです。違うのは、回答の仕方です。
日本では金額を答える
Google Japanで「老後資金 いくら」と検索し、上位の結果をざっと見ると、3000万円、5000万円、1億円など具体的な数字をあげているものが目につきます。総務省の家計調査の「平均」値などを元に計算している記事が多いようですが、日本でも経済格差が広がりつつあると言われる現在、平均なんて意味あるの?って思います。皆同じような収入で、同じような家族構成と消費パターンで、同じ年にリタイアして、・・・とまだ一億層中流が前提になっている匂いがします。
アメリカでは計算機を使うよう促す
Googleで“How much do you need to retire”と検索すると、様々なサイトのcalculator (オンライン計算機)がヒットします。このタイプのオンライン計算機は、自分の年齢や現在の老後資金用貯畜額などを入力すると、希望の年齢でリタイアできるかどうかチェックできるようになっています。準備額のみを答えるものは見たことがありません。というのも、“It depends”(人によって違う)、つまり、個人の収入・家族構成・ライフスタイルがあまりにもまちまちで、「平均」に意味がないことは明らかだからです。
計算機の中には、いくつもの入力情報を要求する複雑なものもありますが、簡単なのはこのCNNの計算機。
現在の年齢
リタイアする年齢
現在の老後資金用貯蓄額
現在の総収入
年間貯蓄率((年間老後資金貯蓄額÷年間総収入)*100)
のたった5項目を入力するだけで、リタイアまでに必要な資金と、現在のペースでリタイアまでに準備できる額を比較できます。これなら、順調に資金の準備ができているかの手軽なチェックになりますよね。
リタイアする前年の年収の8倍必要
計算機に入力する数字を考えるのすら面倒くさいという人もいるためか、今年初め、アメリカ最大の投資信託会社フィデリティは、さらに簡潔な答えを発表しました。
リタイア年齢を67歳、その後のリタイア生活期間を25年と仮定すると、最低限必要なのは、リタイア直近1年の総収入の8倍。
年齢別の老後資金貯蓄額の目安は、
25歳で老後資金用の貯蓄を始めたとすると、
35歳で年収の1倍、
45歳で年収の3倍、
55歳で年収の5倍、
67歳で年収の8倍
だそうです。
一般的にアメリカには退職金という制度はないので、(ゴールデン・パラシュートなどは別ですが)フィデリティの資金計算には退職金は含まれていません。というか、日本で働く人でも慎重に老後資金の準備をしたいのならば、退職金は計算に入れない方がいいと思います。退職するまでに、絶対自分の会社が潰れなくて、自分が解雇されることもなくて、退職金制度が廃止されることもない、と確信をもてるのならかまいませんけど。
皆さん、老後資金の準備は順調ですか?
ではまた