ミリオネアの新定義は純資産300万ドル以上?100万ドルは昔話なのか
(カナダドル@モントリオール、カナダ 2014年5月撮影 by offthebeatenpath)
いきなり、クイズです。2013年のアメリカと日本のミリオネア世帯数はいくつでしょう?答えは、この続きでどうぞ。
世界各国ミリオネア世帯ランキング
つい先日、ボストン・コンサルティング・グループが発表した、2014年度版Global Wealth Reportによると・・・
(Source: BCG Global Wealth Report 2014)
2013年の世界のミリオネア世帯は1,630万で、2012年の 1,370万世帯から急増したようです。
ミリオネア世帯数の世界トップ3ヶ国は、
1位 アメリカ(714万世帯)
2位 中国(238万世帯)
3位 日本(124万世帯)
中国が日本を抜いていますね~。米ドルベースのこの報告書では、為替の影響で、日本は去年の150万世帯から120万世帯へと減ってしまったようです。
ちなみに、この報告書でのミリオネアの定義は、100万ドル以上の投資可能資産を持つ世帯。
投資可能資産とは、
居住用も含めたあらゆる不動産、本人が所有するビジネス、美術品などの高級品を除く金融資産のこと
だそうです。
ミリオネア世帯が高密度で存在する世界トップ3ヶ国は、
1位 カタール(17.5%)
2位 スイス(12.7%)
3位 シンガポール(10%)
カタール、すごいですね。1,000世帯のうち175世帯がミリオネア、ってどんな社会?
アメリカはというと、密度ランキングの方では7位に下がって、5.9%、つまり1,000世帯のうち59世帯がミリオネアということです。日本はトップ15入りを果たせず数字が出ていませんが、総世帯数5,184万(統計局のデータ)でミリオネア124万世帯を割れば、日本の世帯の2.4%がミリオネアということになります。
純資産ミリオネアはもっと多いはず
ボストン・コンサルティング・グループのミリオネアの定義に含まれていなかった、居住用・投資用不動産資産やビジネスを足せば、ミリオネア世帯数はアメリカでも日本でもヨーロッパでもその他の地域でも、世界中でもっと上がることは間違いありません。そう考えると、純資産100万ドル以上の世帯って結構多いと思いませんか?ミリオネアという響きがかつてもたらした特別感が薄れるほどに。
アメリカでミリオネアと感じるには、純資産300万ドル必要?
実際、アメリカのパーソナル・ファイナンス系ブログを読んでいると、「今やミリオネアと感じるには、純資産100万ドルじゃなくて300万ドル必要」という意見が散見されます。
理由その1:資産高の伸び
日本がアベノミクスで湧いたのと似て、去年のアメリカ株式市場の回復も目を見張るものがありました。S&P500は30%の伸びを記録。ダウが777ポイント以上暴落した2008年9月前後の暗黒の数年間と比べると、隔世の感があります。あの頃は、貯めても貯めても資産高が減っていく感覚があって、このままじゃリタイアできないかも、と胃のあたりに重しがのっかったような気分でした。下げ相場にも関わらず投資し続けた人たちは、ずいぶんとリターンを得たのではないでしょうか。
給与からコツコツと貯めて運用をすれば、特別な才能や奇策がなくても、不動産と合わせて100万ドルの純資産高は達成できるはず、という認識が強くなってきています。
理由その2:生活費の上昇
100万ドルで悠々自適の生活が遅れたのは今や昔。インフレのおかげで、100万ドルの資産では油断ができません。Bureau of Labor Statistics のサイトにある計算機を使うと、30年前の1984年の100万ドルは、2014年の価値に直すと228万ドルになると分かります。
(Source: Bureau of Labor Statistics)
項目別に細かく見ていけば、インフレ率を大幅に超えて暴騰しているものもあります。例えば、大学進学費用。今年の米大学の平均年間費用は、居住する州内の州立大学ですら$22,826(約228万円)、私立となると安めの学校でも$44,780(約447万円)。4年間通うと、州立大学でも計$91,000(約910万円)を超えてしまいます。過去約30年間で、大学費用が893%も上昇したとする分析もあります。
私の娘が進学する15年後には、進学費用はさらにこの倍以上に膨れ上がっているとの試算(州立で約$200,000、私立では約$400,000)すらあるんですよ。信じられます?
やっぱり、純資産100万ドルは単なる通過点、経済的自由が得られる額ではないという気がしてきますね。
皆さんは、どう思いますか?現代のミリオネアとなるには、純資産300万ドル必要でしょうか?あるいはこれまで通り100万ドルで十分、それとも500万ドル以上必要?
ではまた。